橙ゲノム 続きの小説!
気まずい理由なんて私にもわからない。
あの子を見たせいだろうか。
また、忘れようとした恋のこと思い出すと思ったからだろうか。
自分のことなのにわからないんだ。
結局ライは職員室まで来て届けてくれた。「当たり前の優しい」で。もう考えたくないのになあ。
ってあれ?鍵がない…!ということは教室においてきてしまったのだ。
「ごめん、ライ!教室に忘れ物したからとってくる!」
「え?ちょっ…」
無視をしたつもりはないけど聞かなかったことにした。走って走り抜けた。
ぜえぜえと久しぶりに走ったので息が切れる。
教室はまだ空いていて、机の中に探し物のカギを見つけた。
これがないといえに入れない。
戻ろうとしたとき、隣の教室から思いもしない声が聞こえてきた。
「えー!じゃあ本当に嘘告(少し前の流行の嘘告白です)したの!?」
「最低じゃんかw」
「だって…その返事聞かないうちに嘘ってバラしたからまさか本気にしてたとは思わ なくてさー
…あの子だ。嘘告ってどういう意味だろう。まさか。
「でもライ君可哀そうだねえあの後ずっと好きって目してるよ?」
「もうちょっと女慣れしてるやつでもよかったのかなww」
ふざけないでよ。
あなたのくだらない嘘告でライはあんな表情になって。本当最低。
私は遠回りで階段を下りた。もう、どうすればいいのかわからない。黙っているのは当然だけど、そんな辛い恋させるぐらいならもっと縛られず生きてほしい。好きだから。
でもよかった。ライはもうきっと先に帰ってるから―――…
「あ、ソラやっときた。」
マジですか。しょうもないとこ女々しいよなあこいつ。私は今真剣に悩んでいるというのに!
「…待ってたの?」
「うん。だって危ないじゃん。今は夕焼け綺麗だけどすぐに暗くなるよ。」
やっぱり好きだ…。ダメだ私…。
「ありがとう。帰ろう。」
いつものなれた道をまた2人で歩く。今は学校が会議とか立て込んでて部活がしばらくないけど始まったら1人帰りだ。
もう接しにくいよ。私には関係ない関係ない関係ない!って思いたい…。
「あ、そういえば俺の好きな子の話だけど。」
……タイミング悪すぎるんじゃボケエエエェェ!!
「ごめん、私用事あるんだった!先かえる!」
「…?うん…。」
危なかった危なかった。絶対あの先に触れたら身も心もずたずたになっちゃいそうで…。
「どうせ一生私の片想いだけど。」
もう輝き始めた星空ときれいに混ざる夕焼けの空に向かってつぶやく。
この夕焼けが、夕焼けに照らされた町が、私たちの辛いであろう未来もすれ違うこの願いも暗い空に連れ去ってくれたらいいのになあ…。
ああ…文才に欠けるゆは。
そしてまだ続くんだこれがw